仏壇は本来、仏間や床の間などに置くのがよいとされています。しかし、そもそも仏間がない、和室はあっても床の間がないというご家庭も多いかと思います。そのような場合には、家族が集まる居間やリビングにします。その際、日当たりと湿気についても一緒に考えるようにします。仏壇はそのほとんどが木製ですから、日当たりが良すぎると日焼けしたりひび割れを起こしたりすることがあり、湿気がこもるような場所ではカビが発生しやすくなります。
仏壇を置く場所が決まったら、次は向きです。仏壇の正面をどの方角に向けると良いのか、実は宗派によって違いがあります。ご自身の宗派とあわせて確認しましょう。
南向きや東向きがよいとされているのは、その方角に由来する物事を尊重するからです。その一方で、お釈迦様が北に頭を向けて入滅(頭北面西右脇臥:ずほくめんさいうきょうが)されたことから、北向きを避けるとする説もあります。
仏壇を置くときには、神棚との位置関係にも注意が必要です。どちらも尊重し、失礼がないようにするという観点から、上下関係になるような配置や向かい合わせになるような配置は避けるようにします。
向かい合わせを避けるのは、どちらかに手を合わせたときに、もう一方にお尻を向けてしまうことになるためです。仏壇と神棚が上下にあると、どちらに手を合わせているのか分かりにくくなるため、このような配置も避けるようにします。仏壇の置き場所や向きを考え始めたら、ふさわしい場所が見つからないということもあるかもしれません。そのような場合には、ルールにとらわれすぎずに柔軟に考えることも大切です。まずは日常でのお参りのしやすさを優先しましょう