古代の仏教では、亡くなった人は7日ごとに小さな転生を繰り返し、49日後に別の世界で新しく生まれ変わるとも考えられてきました。こうしたことから、日本の仏教では、故人が亡くなった命日を起点に、7日ごとに忌日(きじつ)として、故人の成仏を祈って法要することが習わしとなっていました。これを中陰法要と呼び、最初の中陰を初七日、さらに、二七日(ふたなのか)、三七日(みなのか)、四七日(よなのか)、五七日(いつなのか)、六七日(むなのか)と数え、七七日(なななのか)の49日目の忌日を「満中陰」とし、それぞれ七日ごとに法要を営んできました。現代では、葬儀の日に「繰り上げ初七日」の法要を行い、49日に極楽浄土に達したとして法要を行うのが一般的になっています。
四十九日は、命日を1日目として四十九日目を計算するのが一般的です。そのため、命日から48日目が、四十九日になります。例えば、2019年05月01日が命日の場合、2019年06月18日が四十九日になります。四十九日までは、故人を偲ぶ気持ちを常に持ってすごしましょう。毎日お線香をお供えしたり、できるだけ祭壇の前にいる時間を持ったりするとよいでしょう。反対に、四十九日にやらない方が良いことがあります。それが、「正月祝い」「年賀状」「初詣」などの祝い事です。四十九日の間(忌中)は、これらの行事ごとはできるだけ避けるようにしましょう。
まずご家族は法要の日程と、会食や納骨をするかを決めてお寺に相談・予約をします。次に案内状や引き出物・返礼品を手配し、当日までに祭壇を整え本位牌、お布施、お車代、会食がなければ御膳料、お供物等を用意します。 また、参列者は香典や供花などを用意します。
なお、四十九日法要の頃には香典返しも行います。
49日の法要は忌日を過ぎて行うのはよくないとされています。ですから49日に当たる日が平日の場合、その直前の土曜や日曜など、参加者が出席しやすい日を選ぶようにします。
次に、自宅、お寺か、斎場など、どこで法要を行うか決めます。
日程が決まれば、なるべく早くお寺に連絡しましょう。49日の法要を行いたいと告げ、日程と場所を伝えます。また、納骨も49日の忌明けに合せて行うことが多いので、納骨を行うかについても伝えておきます。
四十九日の法要のあとに親族で食べる会食が、本来の「精進落とし」と呼ばれる一連の法要の区切りの食事になります。注意したいのは、会食を法要の前に持ってこないことです。かならず法要すなわち僧侶による読経と参列者による焼香やお祈りが終わった後に、会食をするようにしましょう。
身内だけで行う場合には、電話連絡で済ませることもあります。故人の名前と、四十九日の法要であること、日時と場所を伝え、出欠および会食への参加などを確認します。
出席者の人数に合わせて引き出物を用意します。引き出物の金額としては、香典としていただく金額の3割から5割が目安となります。49日の香典の相場は、親族の場合、1万円から3万円なので、引き出物は3千円から1万円、血縁のない知人・友人の場合、5千円から1万円なので、引き出物は、2千円から5千円が妥当な金額です。
49日の法要のあと、僧侶にお礼としてお布施をお渡しします。その他、自宅で行う場合は、お車代、法要のあと、僧侶が会食に出席しない場合は、御膳料を現金で包みます。お布施の一般的な目安としては5万円程度からとなっています。お車代は、5千円から1万円。御膳料は、法要の規模にもよりますが、5千円から1万円程度です。お布施の金額が適当か、心配な場合はお寺に予約するとき、事前に確認してみてもいいでしょう。
四十九日法要には故人を偲ぶという深い意味があり、遺族や関係者にとって大切な法要になります。後悔なくしっかりとおこなうためにも、事前の準備はしっかりと進める必要があります。四十九日法要をおこなうときは参考にしてみてください。